第2回は『人間力』についてのお話です。ここでいう『人間力』とは、特にビジネスの場で、向き合った相手に「あなたが言うのなら!」とお客様や向き合った相手から信頼を勝ち取り、良い関係性を築く力のことを指しています。
例えば美容室ならば、「あの人の技術ってすごいよね」「あの人のスタイリングはパーフェクトに近い」といったスキル面ではなく、まず「ひとりの人間」として向き合った相手の方に信頼していただく。「この人にカットしてほしい」と思ってもらう力をここでは『人間力』と呼びます。この『人間力』を意識する、しないで大きな差が生じます。
たとえば、クレームを例に考えてみましょう。
「お客の私に対してあの態度は何なの!」や「謝り方がひどい!気持ちが伝わってこない!」そうおっしゃるお客様の心の声はもしかすると「大切に扱ってほしい」というメッセージなのかもしれません。だとするとそこに「人としての信頼関係」が存在すれば、ちょっとしたミスも「まぁまぁ誰だって失敗はあるわよ」と思いもよらず励ましてもらってしまったり、「謝る必要ないわよ、こちらこそ、悪かったわね」なんて逆に謝られたりしてしまったり、人間としてまず認めてもらうことでその後の展開は大きく変わってきたりします。
実は、人は「何を」よりも「誰に、誰と」にフォーカスするような気がします。例えば、すでに信頼している美容師さんに髪を切ってもらったとします。思っていたよりも短いスタイリングになったとしても「まぁいいか、どうせ髪は伸びるし」とプラスに捉えてくださる可能性は高いです。しかし、信頼関係が築けていない担当者だった場合どうでしょうか。「この人、私の言った通りにしないじゃない!」「どうしてこんな髪型にするのよ!」といったクレームに発展。。あるいは、何も言わずにもうそのお店には行かないという悲しい選択をする可能性も否めません。
そうなるとその人間力、どのように養ったらよいのでしょうか。
一番大切なことはズバリ『姿勢』です。
姿勢はからだの構え方、背筋を伸ばすという意味のほかに、心構え、態度という意味もあります。
背筋を伸ばすと少し目線が高くなり、気持ちも前向きになるように、心構えや態度がしっかりとすると人としての信頼アップにつながるのです。
前回のコラム「ホスピタリティ」でも記しましたが、お客様に対して興味関心を持つというのも大切な姿勢のひとつですね。
私が、人間力があるなぁと感じる人に共通するのは、何事からも学ぶ姿勢、謙虚な姿勢であるということ。
失敗をしたとしたら、何がどのように悪かったのかを真剣に考え、次はどうすればいいかの策をきちんと用意し、誠心誠意尽くす。その失敗という経験としっかり向き合い、そして意味づけをします。これが人間力を養うコツでもありますし、それを繰り返して人は成長するように私は思います。
もうひとつの意味の姿勢(からだの構え方、背筋を伸ばす)も実は信頼を得る大切な要素です。
美容室を訪れるお客様は案外、美容師の方の姿勢や後ろ姿を見ています。なぜかというと、特に女性はパーマやカラーで時間を置く必要があるため、待ち時間が長いからです。雑誌や携帯電話を見たりしていますが、時折、顔を上げた時に目に入るのは、かがみ越しの美容師さん。
その時に目に飛び込んでくる美容師さんの背筋がピシッと伸びていて、凛としているのと、猫背でのんびりと動いているのでは印象はどうでしょうか。自分の担当の方じゃないにしても姿勢正しくキビキビと動いている姿を見るのは清々しいはずです。
ぜひこの2つの姿勢を意識して、日々のお仕事に取り組んでみてください。
今まで見えていなかったこと、気が付けていなかったことに出合えるはずです。そしてそこで学ぶ重要性に気が付かれるはずです。その後は学ぶだけです!
私の尊敬する人に教えていただいた大好きな言葉をご紹介します。
「学ぶのは自分のためじゃなく、未来に出会う誰かのため」
今すでに出会っている人も含め、未来に出会う人のために私自身も学び続けたいと思っています。
ということで、人間力を養う一番のポイントは「学ぶ姿勢」です。学ぶには自分に何が欠けていて、何を学ぶ必要があるのかを知る事が大切です。まずは自分を知り、学ぶべきポイントを見つければ後は行動するだけですね。